あぷラビ過去ログ 第8集
#141 あぷラビ 拾い癖
「あー。さむいーっ」
早朝、翔一が毎度ながら駆け込んでくる
「やー。おはよー」
先制してなるみがあいさつする
「おー。おはようさん」
「相変わらず寒そうにしてるねぇ翔一君は」
手を赤くして擦っている翔一の姿をみてなるみがボソッと
「慣れたヨ。――あー。そうそう。なんとなくプレゼント」
思い立ったように翔一がバックの中からごそごそと黄色い紙を取り出す
「・・・なにこれ?」
とりあえず受け取るなるみ
「駐車禁止のステッカーw」
にこやかに答える翔一
「・・・引っかかったの?」
なんかバチ悪そうに問いかけるなるみ
「いや、新宿の道端で拾ったんだよ。レアかなって」
明るく答える翔一
「汚い捨てれ」
なるみが放り投げる
#142 あぷラビ 白金とシルバゴールド
「コレ、ホワイトゴールドで出来てるんだよ」
なるみがピアスを指差し
「おぉー。すごぃ」
感嘆の声を上げる翔一
「どう?似合ってる?」
意地悪な笑みを浮かべつつなるみが問う
「似合ってるぜ姉さん。プラチナ使ってるなんて贅沢な」
やたら寒心する翔一
「プラチナなんて使ってないよーw」
軽く一蹴するなるみ
「・・・ホワイトゴールドって、白金のことでしょ?つまりプラチナじゃん」
驚く翔一
「75%の純金以外の金属に銀とパラジウムを混ぜて作った奴をシルバーゴールドって言うんだよ。金で作られてるのさ」
軽く説明するなるみ
「素直に純金使おうよー」
誰に向かってか駄々こねる翔一
「硬度が出ないから純金じゃ使い物にならんて」
なだめつつなるみ
「まーつまりは名前詐欺って事?」
#143 あぷラビ やる気ない
「お前たち!今日という今日こそは憎きルード隊長をぶっ倒してやるぞっ!」
最近何故か毎朝行っている集会で勇敢なる戦士ラッシーが演説する
『ぉー』
微弱な、2,3人が小さく口の中でもぞもぞとさせた程度の掛け声
「ナンですかそのやる気ない返事はお前ら。ほんとにやる気あるんですかっ!」
渇を入れるラッシー
『おぉおぉぉぉっ!!!』
割れんばかりの返事が返ってくる
「それでよし。」
満足するラッシー
「すいません、ラッシー隊長・・・」
申し訳なさそうに問いかけるラッシーの部下トワイス
「何だ演説中に!」
少し不愉快になるラッシー
「今の返事はやる気ないという事対しての返事ではないでしょうか・・」
#144 あぷラビ ぽかぽか陽気
「さて。今日も元気に食べ物採集に行きますぞお前ら」
槍を片手に立ち上がるラッシー隊長
「おー」
部下のトワイスが声を上げる
「排水溝付近で狩るぞ。ちゃんと皮袋持った?」
ラッシーがトワイスに問いかける
「もちろんでありますっ!」
元気に答えるトワイス
「ならよし。では行くぞ」
「ラッシー隊長!自分はあちらを調べるであります!」
トワイスが声を上げる
「そうか。じゃあ俺はこっちを調べるかな」
部下の言いなりになってるが気にせずラッシー隊長は同意する
トワイスは物陰に隠れる
「ふぅ・・・」
ぽかぽか陽気の中、トワイスは幸せそうにまぶたを閉じた
#145 あぷラビ けいこうぎゅうご
「なぁ、お前さんなんで同僚のトワイスがこっちに来ないかわかるか?」
元勇敢なる戦士ラッシーの部下だったリーバが同じく部下だったノリに問いかける
「んー。わかんない」
全然考えてなさそうな間を空け、ノリが答える
「あいつさー、こっちに移れば飯の心配もないしカワイイ子もいるしこれからの未来もあるのに、どうして残ってるんだろ」
旧友の動向を不安がるリーバ
「鶏口牛後じゃない?」
ノリが即答に近い形で答える
「んー」
うなるリーバ
「――いつかはトワイスと敵対して、憎しみ合うようなことが起こるかもしれないって思うと、すっきりしなくてなぁ」
自分の内心のもやもやを吐露するリーバ
「そんなことないでしょ」
やっぱり即答に近い形であまり考えてなさそうな口調でノリがなだめる
「――あいつが真面目に前に出ると思うかい?」
#146 あぷラビ 深夜のモーニングコールサービス
「やばい。ついつい夜更かししすぎちまったじゃないか」
翔一が自分の部屋にて。パソコンに向かっている。時計は午前2時
ごそごそと寝る身支度を整え始め、荷物を押しやり布団を敷く
「目覚ましの電池変えないとなぁ・・・・全然ならなくなってるし」
といいつつも一応セットする翔一
「あー。川谷にでも朝起こしてもらうか・・・」
携帯を取り出し、メールを川谷に送る
「ヨシ。寝るか」
う゛ぃぃぃぃぃん
携帯の振動音がする
「んー?」
眠い目を擦りつつ携帯確認する
『時刻 3:21 タイトル"Re:朝起こしてくれ" 内容:了解したぜ』
#147 あぷラビ 残業時に考えること
「最近、よく今晩何食べようかとか、何作ろうかとかばっかり考えちゃってるよ」
なるみがさつきとの会話。
「なるみちゃん食欲旺盛だねぇ」
さつきが感心する
「量はあまり食べないけどね」
少し顔を綻ばせつつなるみ
「私はよくこれからダイエットしようとか、どんなダイエットをしようとかばっかり考えてるなぁ」
#148 あぷラビ 値段を引き合いに
「山崎パンのクレープミルクサンド、クレープで包まれてるのかなーって思ったらうえにちょこっとクレープ乗ってるだけじゃん」
ヒトミが不満をさつきにぶつける
「ヤマザキパンだもん。安いからいいんでね?」
さつきが珍しくあっさり答える
「いやぁ、値段を引き合いに出すのは良くないと思うよ。やっぱりちゃんと作って欲しいじゃん」
ヒトミが反論する
「それじゃベーカリーで買ったらどう?w 出来立てでばっちり」
さつきが提案する
「ヤダあれちょっと高い」
ヒトミが即答する
#149 あぷラビ S出生時代
「なんだヨこの並列回路は」
なるみが親戚の中学生のサカミちゃんに指摘する
「これは抵抗のことだよー」
サカミちゃんが説明する
「――新しい書き方なの」
何かなるみに言われる前に補足を加えるサカミ
「んなわけあるまいに。ちょい教科書みせて」
「昭和生まれの先生は古いんだよー」
#150 あぷラビ 大丈夫。〜かも
「忙しいしー。最近全然相方さんとご無沙汰だよ」
翔一が川谷と話をしている
「お前に恋人いたなんて知らんかった」
ちょっとびっくりする川谷
「大丈夫。最近2〜3ヶ月全然接触してないし連絡もほとんどしてないからいないに等しいかも」
にっこり笑みを浮かべつつ翔一
「おー。どこが大丈夫なのかわからんが平気なのか?」
リアクションに困る川谷
「・・・・笑えない事態になってそれっきりです。めっさ反応冷たいです」
#151 あぷラビ 仲直り
「一体どんなことしちゃったんだい。遠のく前に」
川谷が翔一に問いかける
「いやぁ・・・ちょっと、まぁ色々あるわけですよ。」
適当に言葉をぼかす翔一
「おまいさんが悪いのかい?」
食らい下がる川谷
「・・・おおむねその通りかも」
認める翔一
「仲直りしろよー」
簡単にいう川谷
「仲直り簡単に出来たら苦労しないよー」
#152 あぷラビ 翔一沙汰
「翔一、おまいさんの恋人さん何やってるんだ?」
川谷が翔一の恋愛事情について深く干渉している
「いや、何だっていいでしょ」
軽くあしらう翔一
「気になるだろー。それにもう相手ふっ切れておまいさんのことなど眼中にもなかったりな」
川谷が笑いながらいう
「・・・」
紙コップに入ってるぬるいコーヒーを見つめ沈黙する翔一
「ま、がんばれや」
何故か幸せそうな笑みを浮かべる川谷が励ます
「あー。うん。どうせイイや無理っぽいし」
珍しくネガティブ発言する翔一
「よし、飲みに行くか!酒の一杯ぐらい奢ってやるから」
肩を叩き翔一を励ましていると思っている川谷
#153 あぷラビ ダンボール
「なんか最近部屋の中がダンボールであふれかえっているのですが」
翔一が川谷に愚痴をいう
「防寒対策かい?」
大型のホチキス取り出してガチャンとファイルを留めつつ川谷
「それもありかな」
#154 あぷラビ 格差
「格差社会についてどう思う?」
なるみがなんとなく翔一に聞いてみる
「搾取できる側に立てたら肯定するよ。」
軽く答える翔一
「搾取する側かい」
軽く笑うなるみ
「――搾取される側になっちゃったらどうするんだい?」
続けて問いかけるなるみ
「そりゃ簡単だ。平等を謳うのさ」
やっぱり軽く答える翔一
「君の主義は一体何なんだい。はっきりしてないね」
なるみがいう
「明確だよ」
即答する翔一
「――自分の利益が最大になるところに落ち着くのさ。そんなモンでしょ?」
#155 あぷラビ 漠然とした興味
「これから日本どうなると思う?」
なるみがヒトミに聞いてみる
「なにその漠然とした問いは」
ヒトミが困惑する
「いやさぁ、なんか日本ってもう頑張っても先がなくない?国債460兆とか少子化とか最近睡眠不足気味とか」
なるみが語る
「あー。うんそうだねー」
適当に相槌を打つヒトミ
「・・・興味ないの?」
ふと気がつくなるみ
「うん。」
#156 あぷラビ 男性向け
「あー。成人式用の晴れ着みたいな服が売ってるね」
路上立てかけてある衣装と看板に関心を持つ翔一
「がんばってるねぇ。ここは」
同伴していたなるみが軽くコメントをする
「あ。男性用もありますだって!」
何故か驚き興奮する翔一
「それの何が?」
不振がるなるみ
「つまりはこれのラージサイズがあるってことでしょ?需要あるのかな?」
#157 あぷラビ 分別の利かない子供
「最近寒くなってきたさ。暖房つけっぺ」
珍しく課長が席を立ち、壁にかけかけてある暖房温度調節器具を操作する
「暖房は集中管理ではないでしょうか?」
なるみが敬語で課長に示唆する
「あー。まるで我々を分別の利かない子供のように暖房の管理すらまともに出来ないと思われているのか」
課長が失意の念を示す
「節約のためでしょうか」
一応フォローを入れるなるみ
「とりあえず操作できてるみたいだけどホントに動くか確認してみるべ」
課長が温度調節で設定温度を30度になってもなお押し続ける
#158 あぷラビ 最後の一葉
『しばらく旅に出ます。探さないでください
――とわいす』
「おい!お前ら」
罵声を上げる勇敢なる戦士ラッシー
「・・・・はぁ」
窓際でたそがれるラッシー
「こんなもんだよなぁ・・・現実ってのは」
#159 あぷラビ 淡灯 お幸せに
「ん? あ、やぅ」
翔一が路上、見知った顔にでくわす
「――久しぶり。元気にしてた?」
翔一が続けて挨拶をする
「あ・・・やぁ」
目を合わせず反応する女性。同伴している男が怪訝がる
その女性はタバコを吸い、翔一に向かわないように背を向ける
「・・・・お幸せにv」
翔一は軽く肩をすくませつつその場を去る
#160 あぷラビ 淡灯 祝福
「よう。珍しくなんか元気ないな。どうしたんだ?」
川谷が翔一に話しかける
「ん?そんなことないぞ。ちゃんと生きてる」
翔一が軽く返す
「そりゃ良かった。で?」
川谷が再度問う
「んー・・・振られたwwwww つい昨日wwww」
不自然にテンションをあげる翔一
「うはwww おめwwww」
雰囲気に押されて川谷もテンション上げて返す
「・・・いやさぁ、昨日久しぶりに相方さんに出くわしたんだけど、男連れててサ」
ため息一つとともに語り始める翔一
「がんばれ・・・」
目をそらし川谷
「だからさ、幸せにって満面の笑みを浮かべて祝福してあげたんだ」
にこやかにいう翔一
「それは怖いぞ」
率直に答える川谷