あぷラビ過去ログ 第9集
#161 あぷラビ 淡灯 美学
「翔一。おまいさん例の彼女、関係は疎遠になってたんだろ?」
川谷が翔一に念を押す。場所は居酒屋
「ああ。まぁな」
素直に答える翔一
「――まぁ、こうやって相方さんの迷惑にならないよう後腐れなく身を静かに引く。コレが俺の愛情さ」
自虐の意を含んだ笑みを浮かべる翔一
「といいつつしっかりと茶々入れたじゃ・・・」
途中で言うのをやめる川谷
「でもな、この手の自虐って想像以上に楽しいものだぞwwwwww お前も体験すれば?www」
酒の力もあってからか、笑いながら語尾を強める翔一
「いや、俺は遠慮するよ」
軽く受け流す川谷
「いーや、絶対体験するべきだって。――そうじゃないと・・・」
「おまいさん奢ってくれるって言ってたが、やっぱ俺が奢ってやるよ。それとちゃんとおまいさんを家まで送ってやるから安心してねてな」
泣き潰れたのか、寝込んでいる翔一にガラに似合わず声をかける川谷
#162 あぷラビ アルコール
「なるみってお酒に弱いよね」
ヒトミがいう
「そんなことないぞ」
なるみが条件反射で否定する
「コップいっぱい程度で参るじゃない」
ヒトミがからかう
「いや、アルコール自体には強いけど、胃が弱くてお腹が痛くなるから飲めないんだよ」
説明するなるみ
「それを弱いって言うんだよ」
#163 あぷラビ 擬機械化 CPU換装
「おまいさん頭いいんだからなんとかなるさ」
川谷が翔一にいう
「ん、何を言ってる。お前さんのほうが間違いなく頭よいだろ」
翔一が返す
「俺は人生経験分の知識があってフォローしてるだけだよ。処理と分析力はおまいさんのほうが桁違いに良いさ」
川谷が肩をすくめつつ
「そんなに褒めるなよ。何なら川谷も頭のCPU換装したらどうだ?」
真顔で翔一が川谷にいう
「CPUの規格のソケットが違うので高クロックのものに交換できないさ」
真顔で川谷が答える
#164 あぷラビ 擬機械化 メモリ
「やばい。明日までにプレゼン作り直すのありえない」
夜。翔一が焦りを覚える
「うかつにデータ持ってなかったおまいさんの不備だな。こりゃ」
コーヒー片手に川谷が澄ませた顔でいう
「うー」
うなる翔一
「どうせ紙媒体で手元にあるんだし、おまいさんの頭のメモリに書き込んだら?」
笑いながら、対岸の火事を見てるように川谷がいう
「ああ、それは問題ない。」
軽く答える翔一
「――ただし、出席者に配る資料を印刷しないといけないのさ。メモリ容量あっても出力がでない・・・」
#165 あぷラビ 擬機械化 マザーボードの互換性
「あー。川谷君。なんだよこれは」
なるみが声を上げて不平を川谷にぶつける
「どした?」
関係ない部外者の翔一がひょいと顔をだす
「あー。翔一君。これ見てよ」
なるみが指差す。そこには食べ散らかったインスタントラーメンの形跡
「おー。なんか美味しそうなにおいがすると思ってたらこれか」
のんびりと答える翔一
「おいしそうなんて無いよ。食って放置なんて最低だよ」
比較的珍しく語尾を荒くしてなるみが訴える
「おーけい。俺から言っておくよ」
「よぅ」
川谷が翔一に挨拶する。
「あ、いたいた。おまえさんにいいたい事があってな」
翔一が切り出す
「ん?新しい女でも出来たのかい?」
軽く笑い飛ばしつつ川谷がいう
「不自由はしてないが。それよりなるみ姉さん怒ってたぜ。飯食い散らかすなって」
さらりと流し本題を切り込む翔一
「んー?あー。そういえば掃除しなかった気が」
頭をかきつつ川谷
「・・・女性陣とおまえさん、相性最悪だな」
#166 あぷラビ 済むものは
「もし神様がいて一つだけ願いを叶えてくれるって言ったらなにをお願いする?」
隔週刊行雑誌を片手にヒトミがさつきに話しかける
「えー。一つだけー?」
さつきが考える
「願い事を三つにしてくださいとかそういうくだらないお願いは却下ね」
一応釘を刺すヒトミ
「そんな小学生みたいな発想はさすがに」
苦笑するひとみ
「――まぁ、願いをいうとしたら・・・今までの睡眠時間の半分で済むようにしてください・・・かな?」
思い巡らせさつきが答える
「さつきの肌最近荒れてるけど既に睡眠あまり取って無くない・・・?」
#167 あぷラビ 計画的に作る無駄な時間
「最近足りないものが何なのかわかったよ」
なるみが翔一に話しかける
「なんだい?鉄分とかカルシウムかい?」
軽く受け答えする翔一
「それもあるかもしれないね。でも、必要なのは時間だと」
なるみが真剣な面持ちでいう
「みんな24時間時間を生きてるさ。自分の時間はもちろん・・・・・てかないな。残業多すぎ」
途中で意見を変えて肯定する翔一
「でしょー。毎日過密スケジュールでさ。無駄にボーっとしてる時間は悪みたいな考えが浸透しちゃってるんだけど、それってやっぱりおかしいって気づいてさ」
同意を受け、なるみがまくし立てる
「無駄に過ごす時間は確かに必要だね。んで、今週土曜日どうする?」
なるみの意見をうけ、話題を変える翔一
「ハウルの動く城。アレ見に行かない?あれどうなのか興味ある」
なるみが答える
「あー。いいね」
翔一が笑う
「4時上映だけど混みそうだから、2時ごろあたりから並べばよいよね。その間にぼーっとしようよ」
#168 あぷラビ 間違いではない
「あれ?福井県とか福島県とか福岡県とかって実在したっけ?」
さつきがなるみに問いかける
「え?あ、うんあるよ。」
なるみが少々戸惑いながらも答える
「福井県ってどこあたりにあるかわかる?」
さつきが続けて問う
「・・・・えーっと・・」
沈黙するなるみ
「・・・きっと福島県と福岡県の間にあるんだよ」
苦肉の策としてアバウトに答えるなるみ
「うんわかった。ありがと」
#169 あぷラビ 擬機械化 最適化
「なぁ川谷。もう少し机掃除したらどうだ?」
翔一が川谷に話しかける
「えー?あー。一応雑巾で拭いてるぞ。この部分あたりをほら。」
すずめの涙ほどの区画を指差して川谷が主張する
「いや、書類とか出しっぱなしで積み上げないでちゃんとファイリングして元に戻すとかさ・・」
ばかだなぁとおもいつつ翔一が指摘する
「でも結局はこれらの書類は俺しか使わないからなぁ、戻す必要とくにないじゃん。必要になったら渡すよ」
川谷が返す
「そういう問題じゃないだろうに。せめて清潔感は保とうぜ」
噛み付いてきた川谷を特に取り合うわけでもなく翔一
「・・・ディスクトップ上なのに?」
#170 あぷラビ 中学生の教科書を専門家がまわりくどくry 天動
「地球の周りを太陽が回ってるか、太陽の周りを地球が回ってるか。どっちだと思う?」
翔一が川谷に問いかける
「お。例の天動説ネタか。」
川谷がリラックスした面持ちで返す
「ん、まぁま。で、どっちだと思うかい?」
翔一がしつこく尋ねる
「見方によってどちらとも捉えられるから解なしだな。」
川谷が軽く答える
「ほぅ」
眉を動かす翔一
「すべての事象は相対的にのみ観測される。現行の解析方法だとね。だからどちらも間違ってるといえない。
どちらが正しいといったら太陽の周りを地球が回ってるという方が"適切"なだけであって」
川谷が説明する
「なるほど。両者引き合ってまわりあってるだけだもんな。
報道してた天動説を信じる子が多いって言うのは過去の天動説じゃなくて相対観測的に評価したものであって
ステレオタイプ的に過去存在した天動説的発想と結びつけるのはおかしい、と」
補足役に解説する翔一
「すばらしい。でも翔一、おまいさんの記事毎回ステレオタイプ的に演出してるだろ」
川谷が相槌を打つ
「言い切ったもん勝ち」
#171 あぷラビ つまりわかってない
「中学理科一分野のテキストってなんかだるい」
なるみが翔一に愚痴る
「がんばれー。」
無責任に返す翔一
「ねぇ、なんて原子周期表ってあんなにややこしいのー?」
なるみが文句をいう
「中学レベルだからそれほどじゃないでしょ」
ばかだなぁ。という表情で翔一が返す
「そーだけどっ。こっちは実験手順とかを解説するだけの役目にまわってて色々原子がパカパカ出ててやりにくいんだよー」
なるみが言い返す
「それじゃ、量子論から解説だ。電子軌道が別れてるのはエネルギーバンドギャップの存在でそれを算出するためにクローニヒ・ペニー
のモデルとシュレディンガー方程式を使って数学的に解説すればよいv」
無責任なことをいう翔一
「・・・・・その発言ちゃんと理解したうえでいってる?」
なるみ頭抱え
「子供の"どうしてー?なんでー?"を解決する最良策でしょ。難しく回りくどくわからなく」
#172 あぷラビ 自己管理
「太ってるのは自己管理能力のなさが原因だと思わないか?」
川谷が翔一にいう
「そう自虐的になるなよ」
すかさず慰めに入る翔一
#173 あぷラビ ほっと
「最近、なんだか寒すぎじゃない?」
なるみが手を擦りつつ
「こんな朝こそホットコーヒーだな」
翔一が自販機から適当にボタンを押す
「コーヒー好きだねぇ。ホント」
なるみがしみじみいう
「なるみ姉さん飲まないのかい?お勧めだよ」
翔一が買ったコーヒーを差し出す
「あー。それじゃ好意に甘えて、ぬくもりだけ」
なるみが暖かい缶を握る
#174 あぷラビ ほどでは
「腹減ったぁ〜飯が恋しい」
翔一がうなだれる
「なんか食べりゃいいじゃん。なんか注文する?」
なるみがチラシを取り出し
「いや、もう夜遅いし食うと明らかに太りそうだから控えとくよ」
翔一が答える
「まぁ確かにねー」
同意するなるみ
「――でも川谷君ほどじゃないよ」
比較対象に川谷を持ち出すなるみ
「内部肥満は見かけじゃないし」
翔一が苦笑いする
「内部でも、川谷君ほどではないんじゃない?」
なるみが固執する
「・・・なんかやなことでもされたの?」
#175 あぷラビ 食文化
「まちがいない。味噌汁には食文化の極みである」
翔一が切り出す
「何いってるのさ。たかが味噌汁一杯に30円使うのすら無駄だっていってたくせに」
川谷がいう
「それは若さゆえの過ちというものだ」
じっくりと味噌汁を味わいつつ答える翔一
「パンは?」
なんとなく聞いてみる川谷
「邪道だ」
即答する翔一
「・・・なぁおまいさん。前パンが一番だとか言ってなかったか?」
#176 あぷラビ あなたが不平を言う理由
「間違いない。雨だ」
川谷が外を見てつぶやく
「おいおい勘弁してくれよ。傘なんて持ってないぜ」
翔一が不平をいう
「それはお前の落ち度だろう。予報では三日前にもう雨が降るという報告が発表されていたはずだ」
川谷がいう
「いちいち気象庁の発表を常に監視しないといけないなんてふざけてるね。ナンセンスだ」
軽く一笑する翔一
「それにより不都合を被る羽目になるのは君自身じゃないか」
諭す川谷
「まぁ、何にしろ俺が気になる点は一つだ」
翔一が軽く咳払いをし
「――公用共用ビニール傘が防備されているかどうか」
#177 あぷラビ cr 反旗
「現状は極めて劣勢に立たされている」
勇敢なる戦士ラッシーが重い口調で語りだす
「この現状を打開するために我々は新たなる手段を模索した」
ラッシーの前方に何人か部下が現れる
「そして我々はお前たちをこの世界中から召集した。世界屈指の精鋭だ。そしてこれからきたる極寒の時代に備え、我々は戦わなくてはならない。」
ラッシーが演説を続ける
「人員、武装、内政力すべてにおいて我々は明らかに劣勢である。」
素直に不利を認めるラッシー
「その危機的状況を打開する鍵を握っているのはお前たち一人ひとりの命であり、魂だ」
目を閉じるラッシー
「・・・・このまま滅亡するか、繁栄という栄光を勝ち得るか・・すべてはお前たちの腕に掛かっている――」
語尾を強めるラッシー。息をのむ部下たち
「――決死を覚悟せよ。明朝8時にルード部隊補給施設3箇所を同時襲撃する」
#178 あぷラビ cr 優秀な精鋭
「ラッシー指令!わが部隊、準備完了でありますっ!」
新しい部下が勇敢なる戦士ラッシーに報告する
「そうか。」
軽くうなずくラッシー
「指令、自分は何をすればよいでありましょうか!」
元気に問いかける部下
「何いってるんだ貴様。お前は三班リーダーでしょ」
驚いたようにラッシーが指摘する
「はいでありますっ!しかしこれから何をすればよいのかわからないのでありますっ!」
同じように元気に答える三班リーダー
#179 あぷラビ それは絶対に勝てない戦い
「よし。ちょっとコインゲームをしようぜ」
翔一がヒトミにゲームを持ちかける
「わかったよ。負けても文句いうなよー」
ヒトミが自信にあふれた表情で答える
「それじゃこうしよう。表が出たら俺の勝ち。裏が出たら君の負け」
翔一がルールを説明する
「よいよ。ちゃっちゃとやりましょ」
#180 あぷラビ おしごと
「あー。新聞当番だった」
朝。翔一がいつものようにやってきて開口一番
「おはよー。こっちに来るついでに持ってくればよかったのに」
朝早い時間帯だが既にいるなるみが声をかける
「おはよーさん。すっかり忘れてたよ。運動も兼ね備えて階段使うさ」
右手をあげて背筋を伸ばし、翔一が階段へ向かっていく
「偉いねぇ」
しみじみというなるみ
「あいよ」
4種類の新聞をまとめて机の上に無造作に置く翔一
「お疲れ様。はい。これお駄賃」
なるみがにっこりと微笑み翔一に10円硬貨を渡す
「・・・・・・わーい。」